ウガンダでのオリジナル雑貨商品開発とウガンダ文化

(2017/2)

講師紹介:宮本啓子(ナントンゴ)
・立教大学文学部英米文学科卒業後、金融関係、商社、ISO認証機関等で外為事務、英文事務等を経験。
・ウガンダ共和国との関わり:1999年10月ウガンダ人の夫と結婚、2004年12月—2006年1月ウガンダ、カンパラで生活、ガンダ語の学習、現地の旅行会社勤務、NGOグループの活動などを経験。
・ナントンゴ(Nantongo)とは:ガンダ族、猿クランの女性の名前で、アフリーゴのヒット曲「ナントンゴ」にちなんで結婚前に夫に授かった名前。

ナントンゴです、よろしくお願い致します。ナントンゴというのは当時ウガンダではやっていたヒット曲にちなんだ名前で、夫がつけてくれました。可愛い女性、ダーリンという意味のようです。

今日はどうしてウガンダを支援したいのかということをお話ししたいと思います。ウガンダは東アフリカのケニアの隣にある国で、私も夫に会うまではよく知りませんでした。ウガンダにはシングルマザーが多く教育費や養育費に困っていることがわかり、現金を支援するにはどうしたらいいかを考えました。そこでウガンダにしかない素材を使って野生動物や鳥をウガンダの女性に作ってもらって売ることにしました。今では何人かの女性のグループが出来ています。出来た人形を日本で売ってその売り上げを元に、次の作品制作を依頼しています。クリスマスマーケットを開いて販売し、グループ展、千葉の動物園のイベントでも売らせていただいています。

人形を作る素材としては、キテンゲと呼ばれる現地独特のプリント生地やルブゴという樹皮布を主に使っています。ルブゴの作り方は、ムトウバというイチジクの一種の木の外側の硬い皮ではなく二番目の皮を剥いで、最初は5mmくらいの厚さですが根気よく3時間も叩いて薄くします。これを天日で干して作ります。叩く回数によって厚いものから薄いものまであり、アフリカンプリント布等をあしらうことで面白いバッグや小物入れなどを作っています。この樹皮布は600年も前から使われているもので文化遺産として登録されており、これを広く知っていただきたいと思って使っています。皮を剥いだ後はバナナの葉で巻いておくとまた再生します。義理の母の妹さんの家のお隣にルブゴの職人さんがいるということで、行って作業を見せてもらいました。おじさんの農園には、アボカドやヴァニラ、バナナなどがあり、片隅にムトウバの木が植えてありました。現地では主に伝統的な衣服や亡くなった人を包むなどお葬式用に使われています。昔は衣服や、カーペット、シーツなどあらゆるものに使われていました。とてもユニークな素材だと思い積極的に使っていこうと思っています。

ナントンゴ・プロジェクトは9年になります。なぜウガンダを助けたいと思ったかというとウガンダの認知度を高めたいと思ったからです。ウガンダはアフリカの真珠と言われる美しい国で、豊かな自然に恵まれており、ウガンダの人たちは伝統や文化、自分たちのルーツに誇りを持っています。2005年に現地のNGOの方に連れられて石切場で働いている人たちの厳しい現実を見たことから何かできないかと思い、この活動を始めました。1990年代にエイズが大流行して、大勢の子供を抱えたエイズ未亡人がたくさんいました。

そこでウガンダの基礎情報を調べてみると、面積は24.1万平方メートル、人口4,776万人、民族はバガンダ族、ランゴ族、アチョリ族他50くらいの民族がいます。私がウガンダ人という時には、首都カンパラを中心に一番多い民族のバガンダ族を指しています。言語は、英語、スワヒリ語、ルガンダ語。宗教は、キリスト教6割、伝統宗教3割、イスラム教1割ですが、カレンダーにはキリスト教の祝日とイスラム教の祝日が書かれていてうまく共存しているようです。邦人261人でほとんどがJICAの人達と思われます。寿命55.4歳、出生率5.8人(一人の女性)、HIV7.07%ということが分かりました。日本の会社の支店などはないようです。主な産業は、コーヒー、魚製品(練り物の原料などは日本へも輸出しています)、綿花、紅茶などです。走っている自動車は全部日本車で、みんな日本大好きなのですが、日本人はウガンダのことをほとんど知らないので知ってもらいたいという思いもありました。一年間の収入で比較すると、ウガンダは世界230中203位、日本は41位でした。

今作っている製品ですが、先ほどお話ししたルブゴを使ったものや現地のカラフルな布を使った人形、最近は瓢箪を使った商品を作っています。瓢箪の花瓶は水を入れてもいいように中にウレタン塗料を塗ってあります。ルブゴは柿渋を塗ることで耐久性が増します。ウガンダには魅力的な動物が多くハシビロコウが生息しているので、これをテーマにいろんな製品を作っています。私が向こうにいるときにNHKがハシビロコウの取材に来ていて、日本でも人気のある鳥なのだなと思っていたところ、日本に帰って来たらちょうどそのブームが来ていました。一般の人がハシビロコウグッズを検索しているのを見て、これをテーマにすることに決めました。ゴリラの場合は、ウガンダに来る外国人観光客はほとんどゴリラを見に来ています。ゴリラの山に入るには5万円くらいの入山料がかかり、1年前から予約しなければなりません。絶滅危惧種と言われていますが、生息数の半数はウガンダに居ます。

手作り雑貨は現地の人に作ってもらうことで、その売上金を堂々と送ることができます。カンパラ近郊の女性を集めて作ってもらっていますが、チンパンジーやゴリラを見たことのない人が見本を見て作っているので、初めて送られてきた緑色のチンパンジーを見たときの衝撃は忘れられません。それでも全部売れてしまったので、自分の判断だけではダメだということがわかりました。中には手仕事の得意な人もいて、2014年からはオリビアさんという女性がハシビロコウの刺繍をしてくれて、それを貼り付けたバッグなどを作っています。現地の布は民族衣装を作ったハギレを取っておいてもらいます。

作ったものを販売することも大変で、イベントや委託販売で少しずつ広げています。今まで一番力を入れていたのはハシビロコウのいる千葉市動物公園で、委託販売をさせてもらっていましたが3月で業者さんが変わり白紙になってしまいました。早稲田のお店も閉めてしまい、今は浅草橋のパン屋さんの棚を借りています。(この講座の後、千葉市動物公園での委託販売は4月から復活できることになったそうです。)

正会員、サポート会員、手づくり会への参加も求めています。
URL: http://nantongo.net