ウシリカ・インターナショナルの活動

(2015/2)

講師紹介:
矢野俊之
都丸つや子

矢野と申します。今日は都丸先生と一緒にケニアでの活動についてお話ししたいと思います。「ウシリカ」という名前については「みんなで共に」という意味です。設立は2011年の11月1日で、ケニア政府より認可を受け、ケニアの子供たちの育成と教育環境向上、貧困家庭の生活向上を目的にしています。

第一の活動は幼稚園と小学校の経営で、ナイロビから250キロ離れたキリマンジャロのふもとに建設をしました。今年で6年目になります。二番目に我々の仲間のサイディアフラハという所で裁縫教室をやっておりますが、そこで2年間勉強をした生徒の何人かを選んで職業を斡旋するという活動もしています。三番目としては、学校を作ってみると地域と一体化しないと学校経営が成り立たないことがわかり、地域のお母さんたちを中心に支援活動をしています。私がチェアーマンで、ケニア人の秘書と会計、そのほか8名のメンバーで運営しています。今申請しようとしているNPO法人ウシリカジャパンは、都丸先生を会長にして運営していく予定です。それでは学校運営について都丸先生からお話ししていただきます。

都丸と申します。学校はナイロビから250㎞のロイトキトク町、ウカマ村にあります。この地域には90校の小学校があります。この中で私たちの学校の成績が24位という素晴らしい成績になっています。今のところ7年生には70人の子供がいますが、他の学校を含めて20位の中に入っている子供がいて誇りに思っています。貧しいために授業料が払えない子供のためにクラスで5位以内に入った子ども20名を支援するようになりました。3か月授業料が払えない場合は無料で行ける公立学校へ移ってもらいます。幼稚園もありますが、今60名くらいで、小学校を含めて250名の生徒がいます。

校舎は2009年に建て始めて、14年には8年生までの校舎が完成しました。その間に水道と電気も完成しました。ソーラシステムは京セラさんに援助していただき、水道の30トンタンクは三井さんの援助で出来上がりました。キリマンジャロの水をためて配給してくれるシステムがあるのでそれを利用することにしました。

今年の目標は教科書を全員に配布することです。今は4~5人集まって見ながら先生が黒板に書いたもので勉強しています。全科目は無理なので、基本的な科目だけは配布したいと思っています。7年生が8年生になった時は、下の生徒に譲って使ってもらうつもりです。資金はこういう状態を見て寄付をしてくださった方がいて、そのお金を元に去年から始めています。あとはやはり寄付を受けて食堂を兼ねたホールも作りました。

マラソン選手の高橋直子さんが毎年アフリカに靴を送ってくださいますので、私達もそれをいただいています。またナイロビに日本人会というものが有って、その婦人部の方々にお願いして、トイレットペーパーの芯や使い終わったカレンダー、ペットボトルをいただいて、それで工作や裏に何かを書いて壁に貼りだすなどして使っています。ペットボトルは、水のない所ですから水の持ち運びにも必要なのです。こんな風に周りの方々に助けられてやっています。

あと、私の一番好きな運動会についてお話しします。運動会というのは日本独特のものらしいのです。スポーツ大会はあるのですが運動会というものはないようです。2年続けて来てくださった武蔵野児童文化協会の方々と一緒に運動会をすることが出来ました。寄付してくださった万国旗を飾って日本の運動会と同じようにしました。学校というのは勉強オンリーで体育の時間もありませんので、休み時間に二人三脚、大縄跳び、徒競走、綱引きなどを練習しました。綱引きの綱もありませんので、日本から送っていただいた幼稚園の古い縄を使いました。徒競走はケニアでは得意の種目ですが、リレーというものが無くて色別にグループ分けをして並ばせ、最後の人がアンカーだからと教えておいたにもかかわらず、すぐに走り出して全く競技にはなりませんでしたが、初めてルールというものを教えることが出来、助け合って一つのことをやるということの大切さがわかったようです。毎年3人の先生をナイロビの日本人学校に行ってもらい運動会を見てもらっていました。紅白の球を入れる球入れも、やり方がわかると先生が籠を背負って率先してやってくれました。組体操の写真を貼っておいたところ、子供たちはそれを見て勝手に真似していました。それに刺激されて先生たちも工夫して教えるようになりました。

では、矢野さんの方でまとめをお願いします。

青少年の支援については、サイディアフラハを卒業した人たちを支援するためにポシェットとショルダーバッグを作ってもらい、口コミで売るということもしています。制服は、男子は赤いシャツとショートパンツ、女子はスカートですが、このユニフォームも作ってもらっています。セットで500シリングですが、これを仕入れて親に買ってもらい250名の生徒全員が着ています。ウシリカ・インターナショナルは他とは違って支援をするだけではなく自立をしてもらうことに勤めています。日本人を含めて活動しながらビジネスをして生きていけるようにしようと考えています。卒業生たちで進学しない子供たちには何らかの仕事を与えて自立が出来るようにしたいと思っています。

子供たちは半径500㎞から通ってきますが、その地域には500~600軒の家があり、3000人近くの住民がいます。ウシリカの学校に250名、向かいの学校に1500名の生徒がいます。ウシリカの学校に来ている子供たちは、村の中でもレベルの高い家庭の子供達です。毎月1200円の授業料払ってもらって運営しているわけですからそれが払える家庭なのです。ほとんどの家庭は1エーカー以下の農家で年収3万円くらいの収入しかありませんので、日雇いで農作業などを請け負っています。その他の職業としては、運転手、大工、先生、警察官、商店主になります。

そこでママさんグループというものを作って活動しています。学校の生徒のお母さんを中心に近所のママさんたちと5人一組のグループで、山羊1頭、ヒツジ1頭、ニワトリ10羽で、1グループに5万円の支援をして育ててもらい収入を得るというものです。今5グループで25名活動中です。現在では山羊38頭、ヒツジ22頭、ニワトリ93羽になっています。組織というものが理解できず、リーダーのいうことを聞かない、うその報告をする、売る時期を考える計画性がないなど、いろいろ問題点もあり、きちんと指導する必要があるため、今年は私自身が活動の中に入り込んで正しい活動を指導する予定です。

ロイトキトクという所は、50%がマサイ、30%がキクユという民族構成で、当初エイズの感染率が8%と言われていた時にここは15%でした。これを改善するには子供の教育しかないと言われており、そこで子供の教育と生活基盤の確立を目指して活動しています。活動をしていく中でお母さんたちの希望もあって、裁縫教室、料理教室、仕事の提供を目的にウシリカのショップや農場を作って20人くらいの人に働いてもらおうと思っています。鶏を育てるだけでなくそれを商品化して売るということもやっていきたいと思っています。

インターシップ制度を利用した学生たちが、教育実習、農業実習などの体験実習をしていきますが、技術指導を受けた専門家のアドヴァイスも重要だと思っています。まだ活動を始めて4年目ですが、これから企業や日本人会、仲間のNGOとも協力して、社会に根を張った活動をしていきたいと思っています。そこで大切なのは、ウシリカジャパンを日本のNPOとして立ち上げることです。組織が日本にないと企業の援助や個人の援助に対してお返しが出来ないので、ぜひとも日本のNPOとして立ち上げたいと思っています。地球温暖化の影響でキリマンジャロの氷河がなくなり、サバンナがなくなるという状況の中で我々は活動しています。