ケニアにおける日本語教育の現状

(2009/2)

講師紹介:Christopher Kamau (クリストファー カマウ)

 皆さんこんにちは。私の名前は分かりやすくて「かまう」「かまいません」のカマウです。ケニアら来ました。ケニアはアフリカの東部にあって面積は60万平方キロ、人口約3200万人です。季節は一年中同じで春夏秋冬はありませんが、3~4月は雨季で毎日雨が降ります。40の部族があり、一番大きな部族はキクユ族、二番目はルオー族です。ナイロビはキクユの街でしかも首都なので他の部族は良く思っていません。宗教はキリスト教、イスラム教で、私はキリスト教徒です。主な産業は農業で、コーヒー、紅茶、トウモロコシ等を作っています。コーヒー、紅茶を輸出し、日本からはいろいろな車を輸入しています。

首都はナイロビですがナイロビとはマサイ語で「冷たい水」という意味です。ナイロビの南部にはナイロビ国立公園もあり動物がたくさんいます。全国に52の国立公園があります。ケニアの国旗は、黒、白、赤、緑で真ん中には槍と楯がデザインされていて独立の時にはこれを使いました。この写真はマサイ族でナイロビ郊外のマサイマラに住んでいますが、このような衣装を着けてナイロビの街でもショーをすることがあります。同じ若い人でも長髪の人は先輩です。

これから日本語教師としての私のことをお話します。2004年大学で観光事業について学んでいた時に、旅行会社に勤めていた友人の勧めで日本語を勉強しようと思いました。ケニアの日本語文化センターの日本語クラスに参加してベーシック・クラスから学び、年末には日本語テスト、レベル4をパスしました。これが大きな動機となって、すぐさま旅行会社に勤めている友人に日本語を教え始めました。4ヶ月彼らを教え、そのうちの一人はツアー・ドライバー・ガイドとしての仕事を得ました。これがきっかけで、もっと仕事を探そうと思うようになりました。

 公立大学で日本語を教えているところが無かったため、私は私立大学の「観光業と外国語国際センター」で2ヶ月間学生を教えました。ところがその施設自体が無くなってしまいました。6ヶ月間の失業後、2007年の初めから現在まで ”Air travel and related studies center” で学生を教えています。

生徒は50人くらいですが、ここでも問題があって、学生たちは外国語への興味をあまり持っていません。それは大学のカリキュラムに無いので学生の10%は外国語の科目を取っていないのです。外国語への興味は単に観光業への就職に有利だということだけです。また四つの外国語のうちで日本語が一番難しいというのも日本語を学ぶ学生が少ない理由です。確かにひらがな、カタカナ、漢字など、ドイツ語やスペイン語に比べ非常に難しいのは確かです。

 もう一つの大きな問題は教材がないことです。本屋でもフランス語、ドイツ語、スペイン語などの本はたくさん売っています。日本語の本は殆ど手に入りませんし、辞書も売っていないので学生はドイツ語やスペイン語を選択します。私が教材に使っているものも日本文化センターへ行って借りたものをコピーして使い、英語で日本語を教えています。

 1990年後半まで日本語は学術調査のための言語でしたが、今では企業の世界に広がってきています。しかしケニアでは他の外国語に比べて観光業で日本語を必要とする会社はあまりありません。その結果学生は日本語を勉強していてもまじめに勉強しないのです。今回の来日で、教える立場である私のさまざまな問題が解決されたように思われ感謝しています。

 ケニアの教育システムはかなり堕落していて、お金さえ払えば誰でも資格が取れます。そのために実際には資格のない者が大勢職業訓練学校へ入ることになります。またその堕落した精神のまま大学に進み、就職し、親が裕福ならば高慢な人間になるのです。こうして私の努力は報われない結果になります。政府関連企業は8:00amから5:00pmまで、月曜日から金曜日まで仕事をしますが、民間企業はもっと働きます。私も給料以上に働いています。これは先生も生徒もモチベーションを欠くことになり良い結果にはなりません。

 今回日本に来ることが出来て、これまで説明できなかった日本語の文法や文化的な問題などが、かなり解決できたように思われます。文化の違い、考え方の違いについてはまだ問題が残っていますが、毎日それを乗り越えることで、人に教えることを楽しんでいます。教えている時には収入のことなど考えませんし、友人と比較してたくさんの収入を得ようとも思っていません。
 ご静聴有難うございました。