コンゴの国内難民(IDP)の状況

(2013/5)

講師紹介:Jerome Kaseba (ジェローム・カセバ)
コンゴ民主共和国からの留学生
JIFH (Japan International Food for the Hungry日本国際飢餓対策機構)スタッフ

こんにちは。ジェロームと申します。コンゴから参りました。ICU, 国際基督教大学で勉強しています。今日はコンゴという国の基本的な話と今コンゴで何が起きているか、またJIFHについてもお話ししたいと思います。これがコンゴ民主共和国の地図ですが以前はザイールと呼ばれていました。これが国旗です。ブルーは平和、赤は血の色を、黄色は民主を、黄色の星は共和国のシンボルを表わしています。以前はコンゴ・キンシャサと呼ばれていたベルギー領の地域がコンゴ民主共和国で、現在コンゴ川の西にあるコンゴ共和国は元フランス領でコンゴ・ブラザビルと呼ばれていました。

公用語はフランス語で、キンシャサはリンガラ語、セントラルコンゴはチュンバ語、東の地域はスワヒリ語とリンガラ語が話されており、政府はこの4つを主要言語と決めていますが、他にも200の言語があります。国土は234.5万平方キロメートル、アフリカで2番目に広い国土を持っています。日本の6倍の広さがあります。以前はアルジェリア、スーダンに次いで3番目でしたが、南スーダン独立後は2番目に広い国になりました。人口は7550万人です。(2012年UNFPA発表6780万人)東部地域は歴史的な部族対立、天然資源をめぐる武装勢力の対立、周辺国の介入等により不安定な状況が今なお続いています。2008年1月武装勢力とコンゴ政府との間で即時停戦の誓約書「ゴマ合意」が署名されましたが、8月に再び武力衝突が起こり今なお内戦が続いています。

コンゴは50年前に独立していますが実際の復興は韓国に比べても非常に遅くいまだに発展途上にあります。25%の都市化された部分は開発されていますが残りの地方の開発は全く進んでいません。1年に4.5%の割合で開発されていますが、地方では医療施設も少なく母子死亡率は高いままです。平均寿命も男性56歳、女性57歳です。また一部の上層部以外は非常に貧しく貧富の差が目立ち、これも内戦の原因になっています。1998年からこの内戦で約5万人の人々が亡くなっています。内戦状態の中で水の供給も途絶え生活が困難になり、国内での移住が多く見られるようになりました。ルムンバシから500キロ離れた地域へ避難しています。

これは今年の3月に行った時の写真ですが、政府がサポートしているシェルターは大きな一部屋に60人収容されています。料理は外で行ない子供たちは学校に行っていません。多くの女性たちはただ逃げてきただけで何処へ行くべきか何をするべきか全くわからない状態です。武装勢力の女性に対する性暴力が多く発生し、2011年には兵士たちにより48人の女性が西コンゴでレイプされています。ゴマエリアで多く発生していますが、今のところ何ら手が打たれていません。JICAは活動していますがこの問題については何も出来ない状態です。

コンゴは天然資源の豊富な国でこれが紛争の原因にもなっています。銅、コバルト、スズ、ダイヤモンド、マンガン、ゲルマニウム、レアメタルなど輸出産業の90%は鉱物資源によるものですが、ほとんど海外企業が生産しておりコンゴの利益にはなりません。東部では金、銅、コバルト、レアメタルなどの違法採掘による人権侵害が多く発生し、またこれが武装勢力の主要な資金源になっています。コバルトの埋蔵量は世界の約65%だと言われています。

JIFH(日本国際飢餓対策機構)で国内難民対策の首脳メンバーと一緒に3月に現地を視察し今コンゴに何が必要かを検討し、現在プロジェクトを立ち上げているところです。先ず食料と清潔な水の供給、マラリヤ、コレラなどに対する医療対策は緊急の問題です。次に必要なのはストリートチルドレン対策で、今カトリック教会がシェルターを作っています。子供たちは家庭の貧困と両親の離婚のためにストリートチルドレンになったので家庭に送り返す事は出来ません。そこで子供たちに職業訓練をし、自分でビジネスをするように指導しています。直接お金は渡さず教会が資金を出して作ったシステムを提供しています。カフェテラス、美容院、靴屋などで働いて稼いだお金を返済させます。

JIFHではキンシャサとルムンバシで活動をする予定です。キンシャサではクーデターがあり2011年から干ばつや人口増加が著しく、紛争の影響により農村地帯から都市部への食糧輸送も困難になっています。そこで結論として国内難民、ストリートチルドレン、孤児の問題が最優先だと思います。また戦争や病気、HIVの問題もあります。今はこれらの問題をだれも解決することが出来ない状態です。もし皆様もこの問題に関心があればぜひ何らかのサポートをしていただきたいと思います。

JIFHのHP: http://www.jifh.org/