ザンジバルにおける現地の人々中心のNGOとその活動

(2009/3)

講師紹介:Fatma Mohamed (ファトマ モハメッド)
東京大学大学院で建築学を専攻

 今日はZanzibar Outreach Program というNGOについて少しお話したいと思います。このNGOはザンジバルの人と海外に住んでいるザンジバルの人たちが一緒になって資金を出し合い、社会のお手伝いをしようというものです。始めたのは3年前ですが、初めのころは知り合い同士でお金を集めてやっていました。ザンジバルは、主にペンバとザンジバルの2つの島から成っています。ザンジバル島は一番大きい島で学校や病院などいろいろな施設が整っていますが、ペンバはまだ発展していないため、いい学校や病院へ行きたいと思うとザンジバルかダルエスサラームへ行くことになります。

 そこで最初に手がけるのは病気に関することがいいということになりました。ザンジバルにはいい病院や医師も大勢いますので、ペンバに月に一度二日間先生を呼んで医療活動をしてもらうことにしました。最初の年2006年には産婦人科と耳鼻科の病気を中心に診療しました。初めはあまり知られていなかったので人も集まりませんでしたが、今では200人くらいの人がやってきます。

2年目になってから難聴の子どもたちに補聴器を援助していますが、初めのうちはペンバの病院の医療器具など設備にお金を使いました。聴覚は言葉を覚える時期にたいへん重要ですので、5歳以下の子どもたちに補聴器を与えています。今では難聴の子供たちのための学校を作って経営しています。3クラスあり、朝の9時から午後3時までで食事も作ります。また6ヶ月前から、3クラスの内1クラスは母親のための教室で手話を母親にも教え始めました。まだはっきりしたデータはありませんが、マラリアの薬の影響で難聴の子どもが多いのではないかと言われています。この学校の子供たちは、ザンジバルの学校で行われる耳の日の催しにも参加できるようになりました。

また水の供給についても活動しています。ザンジバルでは水の供給がまだ完全ではなく、水道はあまりないし有っても水が出ない、時間給水など地域によっては不便なところがたくさんあります。そこで地域のコミュニティーなどでお金を出し合って井戸を作ったり、モスクの中に水道を作って貧しい人たちに無料で水を供給することも行われています。お金のある人たちの建物には貯水タンクがあり自分で水道を作るか、敷地内に専用の井戸を掘ることもあります。

最近新しく始めたことは、医師が学校を回って健康診断をすること、先生たちに簡単な診断方法を教えて病気の早期発見を促すというプロジェクトです。学生に薬を処方すると、薬は家庭に持ち込まないで学校で飲ませます。薬を家に持ち帰ると家族たちは今までの習慣から薬は飲ませないのです。薬はお金がかかるし、今まで通りハーブなどで済ませてしまうことが多いようです。

新しいプログラムとして奨学金制度も作り、2週間前に2人の学生に奨学金を渡しました。お金が無いために大学に進めない人たちを援助するためです。資金は補聴器、水道設備などと同じように内外のタンザニア人から集めていますが、お金を出す時にその使用目的を希望することが出来ます。まだ始まったばかりでこれから変わるかもしれませんが、奨学金で大学を出た後2年間はザンジバルに戻って仕事をするというのが条件です。また学校が休みのときはこのNGOのために働かなければなりません。

その他にも地方へ行って余分な洋服を配るということもやっています。まだ始まって3年ですので新しいアイディアを取り入れながら進めてゆきたいと思っています。ご協力お願いします。