ザ・ダパード(The DAPAD)財団の活動

(2014/5)

講師紹介:瀬川宗生(The DAPAD 財団事務局長)

ザ・ダパード財団というのは、1999年東京工業大学を中心に日本とアフリカの経済交流を促進するために設立されました。DAPADはこの15年間、アフリカと日本を科学技術で橋渡しをするために人の交流、調査研究、国際会議等を実施してきました。

私自身は林業関係一筋でやってきまして、JICAの専門家としてタンザニアに3年、ケニアに2年いました。現在はアフリカで木を植えたい人の応援とアフリカの民芸品の販売、日本の森林の間伐促進を行っています。この3月にはNGOポレポレクラブを支援してキリマンジャロのふもとテマ村で植林に参加してきました。帰りにダルエスサラームへ寄って、2005年に日本人の手掛けた米作の指導が今どうなっているかを見てきましたが、今も現地の人たちが技術を受け継いで米作りをしているのが確認できました。

アフリカには多くの国から援助資金が入ってきますが、これが一般の中小企業や農村には届いていないのではないかと思われますので、DAPADでは農民と中小企業とともにできることを中心に活動してきました。池上彰さんの「アフリカビジネス入門」によりますと、エネルギー、インフラ、農業(米)へ向けての技術、人材育成を勧めています。日本のTICADではアフリカの米生産を2倍にすることを宣言しています。

また日本の環境技術が近い将来アフリカでも必要になってくると思います。DAPAD では3年前からバイオ原料になるジャトロファという木の栽培を奨励しています。農家がジャトロファを栽培し取れた油で発電するというもので、農家は収入とともに電気を得ることが出来ます。世界銀行の支援は受けられませんでしたが、日本企業が投資しJICABOPも調査を実施することが出来ました。今後は油の加工コスト低減がカギとなっています。

林業は男性社会で女性からは見向きもされないで来ましたが、三浦しをんさんの小説が映画化されたことで女性も林業の大切さに目覚めてくれればと思っています。日本ではこれまでスギやヒノキをたくさん植えましたので、その保全、間伐や間伐材の利用販売、バイオ乾燥機販売などを進めています。日本の林業はGNPも1%以下です。

アフリカでの林業はどういう状況かと言いますと、生活で一番大きいのは薪や炭を供給しているということです。あとは建材にも木材がよく使われており、土砂崩れを防ぎ環境保全にも役立っています。これまでは木は山に行って採ってくるものだと思われていたため、植林の必要性を普及するのも大変です。木を植えると飛んでくる鳥があり、あの鳥は縁起が悪いので植えたくないなどと言います。これまでは大量に木を切って建材やパルプにしては木を植えていたのですが、これからは人々の生活に役立つ社会林業、村落林業を中心に活動する必要があります。

アフリカでの活動は27年になりますが、タンザニアで新しいNGOを作りたいという人と知り合いまして、苗を育てて木を植えるという活動を始めました。最初に30万円という資金を出してくれたのはオランダ大使館でした。その後ポレポレクラブとのつながりも出来て、村人の必要を満たす植林、改良かまどの普及、診療所の支援などをやっています。コーヒーの新品種導入、養蜂、裁縫学校の運営なども手掛けています。27年間活動を続けてきましたので、去年タンザニアの大統領から表彰を受けました。

タンザニアのダカワ村で2005年に米生産での生活を目指して、不耕起自然農法の研修と普及活動をしてきました。初めは土砂崩れもあり大変でしたが、灌漑用に水をせき止める土手造りから始めました。当初100軒の農家、100ヘクタールの農地で始めましたが、今回視察したところ現地の人たちに受け継がれて現在72軒の農家がコメ作りを続けています。

ジャトロファの栽培から発電までという活動もタンザニアの3つの州でジャトロファの栽培がおこなわれており、ある工場の発電用にその油を供給するところまで来ました。これについては大規模に投資をして起業しようとしたイギリスは許可が下りずに撤退したという経緯もあり、我々は各農家が木を育てるということを基本にやってきました。工場に供給するだけではなく、発電して各農家に電気を供給することを提案していますが、今のところ搾油にコストがかかりすぎるためその研究が急がれています。

またアグロフォレストという概念に基づく植林にも注目しています。これは例えば農作物の間にマメ科の木を植えることで根粒菌を利用できるのではないかという考え方ですが、まだこれからの課題です。アグロフォレストリー・チョコレートという商品を明治製菓が作っていますが、知名度もなく探すのも困難です。

DAPADの今後の展開としては、日本とアフリカの企業間情報の橋渡しのためにインターネットで情報を提供する、各国連絡員を活かして日本の中小企業の貿易、投資の手助けをする、などがあります。またアフリカ未来大学の構想も実現へ向けて模索しているところです。