セネガルという国 文化と人々の生活

(2009/10)

講師紹介:ウセイヌ・ジャーニュ(Ousseynou Diagne)
セネガルから来日し外国人タレント事務所所属

こんにちは! 私は日本に来て3年になります。今は六本木の稲川素子事務所でタレントとして仕事をしています。アフリカンフェスタで優しい皆さんにお会いしました。私は自分の国の状況もよく分かっていないのに、皆さんはアフリカの子どものためにいろいろ活動していることに対して感謝の気持ちを持ちました。アフリカはとても広く52カ国ありますが、私は西アフリカのセネガルから来ました。セネガルの真ん中にガンビアと言う国が入っています。ガンビアはイギリス人、セネガルはフランス人が入って戦争をしたためこのようになってしまったのですが、住んでいる人たちは同じで今はパスポートなしで横切っていけます。

1960年セネガル共和国としてフランスから独立して以来セネガルは平和な国です。40年前はギニア、ギニアビサウ、ガンビア、マリは1つの国でしたので、住んでいる人々の気持ちは同じです。国旗もガンビアは英国領だったので少し違いますが色は同じです。セネガルは日本に比べると少し遅れていて、自然や動物に対する考え方も日本に来て上野動物園へ行ってからその大切さが分かりました。

政治家も国民のことを考えるのではなく、自分たちのことだけを考えています。子供たちのためにと送られたお金も政府の高官がポケットに入れてしまいます。テレビでは報道されますが一週間たてば終わりです。学校を建てたといっても、一つ建てて次の日に色を塗り替えてテレビに映し、次の日にまた色を変えてテレビに映すというようなことをします。ですから何が行われているかは行ってみなければわかりません。皆さんに言いたいことは、一生懸命援助をしても目的の違うところで使われてしまうことがあるので、きちんと見ている人が必要だということです。

私もこういうことは日本に来るまでは知りませんでした。日本に来てみて皆さんがボランティアでアフリカのために頑張っているのを知りました。アフリカへ行くのは日本と全く環境が違いますのでそれだけでも大変です。病気やマラリアもありますし、アフリカで生活するには物を一つ買うのも大変です。

私は兄弟が23人います。最初のお母さんは亡くなって、お父さんはもう一度結婚しました。日本では考えられないことですが、向こうでは女性の方からもう一度結婚してくださいと言います。23人の子どもの食事や洗濯をするのは大変なので、もう一人奥さんを貰ってくださいと言います。お父さんは家の中の仕事は一切しません。ご飯が出来るのを待っていて食べたら友達のところへ行ってしゃべったりして過ごします。それは昔から同じで、私も日本へ来るまではそういうものだと思っていました。

私はティエスで生れて育ちましたが、父はセネガルの北の国モリタニアからやってきてコーランとアラビア語の先生になりました。私も18年間コーランを勉強して全部暗記させられました。兄弟23人のうち8人は覚えました。この中の一人が父の後を継ぐことになります。誰があとを継ぐかは争いの元になるので父が亡くなるまで知らされることはありません。

父の家族は今83人いますから名前を覚えるだけでも大変です。8人の兄弟の家族が全員一つの家に住んでいてよく似た名前の子どもがいたりします。初めての結婚は父親が決めた人とします。セネガルでは背の高い人がよく働いていい人だと思われていますから背の高い人を選びます。私の妹の一人は17歳ですが180cm以上あります。背の低い人は父親が認めてくれません。女性の一番大切な日は結婚の日でその日までバージンを守らなければなりません。結婚式には200人の人が集まって一日中パーティーが行われます。この習慣は今でも田舎では守られています。

700年前からアフリカ人は奴隷として売られてアメリカに連れて行かれましたが、その中で頑張った人たちの一人が大統領になりました。大切なことはどんなことがあってもあきらめないことです。セネガルは平和で95%がイスラム教徒ですが、独立以来3人の大統領の奥さんはフランス人ですし、セネガル人は宗教にこだわりません。

セネガルで今一番大変なのは水不足で、昔は川に豊富な水がありましたが、今は水道のない地方では5km先まで女の人が水を汲みに行きます。皆さんがアフリカの子どもたちのために自分のお金を出すということはすごいことだと思います。アフリカ人は人のためにお金を出すということはしません。私の父は学校を3つか4つ作って人のために尽くしていますが、子供たちは夫々別々に頑張っています。長男はセネガルの大学を出てから日本に来て18年になり、アフリカ人のためのタレント事務所をやっています。

アフリカには天然資源や海産物など何でもありますが、政府同士の話し合いで全部先進国へ流れてしまってその利益は市民のところへは来ないので常に貧乏と言うことです。今の大統領は自家用飛行機を3台持っています。海外から貰った飛行機も自分のものとして隣の国に置いてあり私用に使っているようです。

セネガルでは大学に入るのは簡単ですが卒業するのは大変です。費用は全て政府保証ですが好きなことを勉強するのではなく政府側から決められてしまいますし、卒業しても仕事があるわけではありません。お金のある人たちは殆ど海外へ留学します。私はアラビア語を勉強したいと思ってサウジアラビアの大学へ行きました。皆海外で勉強しても父親が定年になったら国へ帰って仕事をするつもりです。こういった事情は日本とは全然違います。以上セネガルという国についていろいろとお話してみました。