ソマリアの現状と日本ソマリア青年機構の活動

(2012/6)

講師紹介:永井陽右(日本ソマリア青年機構代表)

 日本ソマリア青年機構(JSYO)は、日本人学生とソマリア人ユースで構成されている学生団体です。日本メンバーは、早稲田大学中心の学生たちで、ソマリアメンバーは、ソマリアからナイロビ近郊に避難してきた20代の青年達と、現在早稲田大学に留学している2人です。 団体創立のきっかけは、2011年9月26日、早稲田大学で永井陽右とAbdirahman Sulieman Oladがお互いの熱意に共感して「できることをやろう」という考えの元に創立されました。
      
 団体理念は「リアライゼーション」ということにしました。日本人とソマリア人がお互いに無理なく理解できるキーワードを使いたいと思ったからです。さまざまな認識を得ることで多角的に理解し、それを実現化したいと思っています。現地のソマリア人メンバーは、大学生ではありませんがその行動力はすごく、本気でソマリアを何とかしたいと活動しています。またソマリア大使のオフィシャルサポートを受けることも約束されました。

 ソマリアという国は1991年に内戦状態に入り、205年に連邦政府(TFG)が樹立されましたが、ソマリア全土を実効的に統治できておらずいわば無政府状態が続いています。面積は638000平方㎞、人口895万人、首都モガディシュ、公用語はソマリ語とアラビア語、宗教は98%イスラム教徒といった国です。

 2011年7月には干ばつによる飢饉が宣言されており、アルシャバーブの台頭と内戦によって非常に危険な状況が続いています。国境なき医師団も入ることが出来ません。アルシャバーブはエリトリアと同盟しており、イスラム原理主義を実行する危険な団体で、アルカイダが軍事支援をしているといわれています。身代金目当ての拉致事件も頻繁に起きています。

 また大きな問題として海賊問題があります。54%はアデン湾に出没しますが、このところ取り締まりが厳しくなったためにインド洋へ移動しているといわれています。衛星電話とGPSを使用しているため行動が迅速で、スピードボートを使って相手の船を襲い、今度はその奪った船で移動するようです。海賊になっている人たちは、元漁師と沿岸警備隊員が多いようです。放射性廃棄物などで漁業資源が減少しているのが原因で、若者のなりたい職業は一番が国連職員、二番が海賊だということです。

 こういう現状ですが、今回の訪問でかなり我々の活動が注目され力強い支援を受けられることになりました。ソマリア大使のオフィシャルサポート、イスリー地区のビジネスを仕切っているチェアマンの協力、あるいは国連コンパウンド内への出入りが許されたことは今後の活動にとても役立つと思います。

 帰国してからミーティングを繰り返していますが、ソマリア人、日本人それぞれの価値観に基づいた主張をするべきだと考えています。人を助けるということは、共感と関心を持つことで豊かな関係を作ることから始まるのだと思います。今政府がない状況を考えたとき、将来リーダーシップをとれる人材を育てることが重要で留学生を招くことも考えなければならない問題です。