マリ共和国の現状

(2013/1)

講師紹介:Sacko Mahamadou(通称ボビーさん)
マリから日本に来て10年、永住権を持ち、日本国内で勤務。

 首都はバマコですが私はずっと南のカイから更に車で35㎞くらいの所で生まれました。セネガルやモリタニアに近い所です。日本に来て10年以上になりますがファミリーのために働いているので毎年国へ帰ります。今も帰ってきたばかりです。マリの一番の問題は昨年起きたクーデターが解決していないうえトゥアレグ人勢力が世界遺産の都市トンブクトゥを制圧し、北部の都市を掌握しておりイスラム過激派の拠点になりつつあるということです。砂漠地帯に原油が出るために紛争が起きているのですが、利益はほとんどフランスの企業や役人のものになり一般には入って来ません。

子供たちの学校も整備されていないのでこれが大きな問題です。私立学校以外はきちんとした教育は受けられないのでお金がないと学校へ行けないのです。学校へ行かなくてもコーラン学校があるのでアラビア語はみんな勉強していて文字も書けますが、社会に出て働くためにはフランス語が出来なければだめなのです。普段の生活はほとんどフランス語とバンバラ語です。

 日本に来たきっかけはザイールのコンゴに知り合いがいてその人に勧められてきました。日本にマリ人は150人くらい来ていて、私は日本で働いて毎月送金しています。子供たちがファミリーを養うのがマリ人のやり方です。私の父は奥さんが3人いて子供がたくさんいます。私の母は一番目の奥さんで6人の子供がいます。私は長男ですから私が全部決めて他の兄弟と一緒にお金を出し合ってファミリーを養っています。大きな家を建ててみんな一緒に生活しています。敷地内に部屋がたくさんあるので別々に暮らすことが出来ます。女の子は結婚すると外へ出てゆきますが、男は同じ家に住んで家族を養います。今は少し変わりましたが、イスラム教では奥さんが4人までいても養っていければ何も問題はありません。女性は家にいて子供を育て、家のことをします。それが嫌なら離婚しますが簡単には出来ません。

 男性は自分の収入によって2人か3人の奥さんを持ちますが、ファミリーを守るために海外に出て働くことも多いのです。病院や保険も完備されていませんのでお金がなければ家族を養うことが出来ません。マリから日本へ入るのは難しく、私は3年間日本で暮らしてから永住権を貰いましたが、それでもマリに帰って1年以内に来ないと入れません。日本人と結婚すれば問題ありませんが、イスラム教ということもあり半分の人たちは離婚になります。結婚というのは我慢の一言です。

 金を探知する機械があって、15万円から20万円で買えますのでお金持ちは金の出る土地を買って人も使って探しています。主食はお米、トウモロコシ、クスクスなどで、辛いスープと一緒に食べます。またピーナツのマフェは美味しいです。ニジェール川の魚もありますが、やはりチキンやマトンなど肉の方がよく食べます。

 マリは外国人も多いですが、フランス人、中国人が目立ちます。ビジネスはほとんど中国人が独占しています。道路や公共の建物も中国人が造っています。日本は入り遅れたので今はビジネスチャンスがないようです。中国の物はすぐ壊れますが安いので普及しています。言葉はフランス語とバンバラ語ですが、バンバラ語が喋れればどこでも通じますしラジオでもやっています。英語は全然通じません。マリのミュージシャンは一時日本にも来ていましたが、日本人にはよく分からないようです。マリの音楽はヨーロッパやアメリカでは広く聞かれています。

 バマコに行くときは、成田からパリ、または韓国からドバイへ行きます。大体往復25万円くらいです。成田かパリまで11時間、パリからバマコまで5時間で行けます。早くマリが平和になるように祈っています。