日本紛争予防センター(JCCP)南スーダン事業

(2016/5)

講師紹介:山田彩乃
中学生の時にアフリカに興味を持ち、大学ではフランス語圏アフリカと人の国際移動による影響について学ぶ。
卒業後、一般企業で人事労務担当。
休職し青年海外協力隊でザンビア共和国へ。職業訓練施設の企画立ち上げ、町づくりへの住民の参画促進事業を行う。

山田彩乃と申します。私どもは活動の内容を発表することはありませんので、本日はこのような機会を与えていただき有難うございます。

JCCPの活動の前にアフリカでの体験を少しお話ししたいと思います。「このスラムがよくならないのは、地域の人がこのスラムを好きじゃないからだ」という言葉がありますが、学生時代に訪れたカンボジアの人が言った言葉です。この言葉を聞いて、私は住む人たちが好きになれるような街を作りたいと思いました。これが国際協力を志したきっかけになり、元々好きだったアフリカで働くことが目標になりました。

これまで南スーダンで仕事をしてきましたが、イギリスの調査によると南スーダンは世界で一番平和度が低い国とされています。テロや武器保有なども考慮して、ナミビア、ボツワナは一番平和な国だそうです。日本は8番です。

青年海外協力隊としてザンビアでの2年間の活動をお話しします。私にとっての初めてのアフリカでしたので、ここで水なし、電気なしの洗礼を受けました。まきを炊いてご飯を作らねばならず困っていましたら、隣に住む人たちがご飯を一緒に食べようと誘ってくれました。隣には8人子どもがいるので、1人増えても変わらないと言っていつも誘ってくれました。お金持ちではないので、1年に何日かはご飯を食べられない日があり、そんな時にはくよくよせずダンスを踊って紛らしていました。とても明るくアフリカっていいなと思った瞬間です。あとは動物との戦いです。国境の町で川に面していましたので、ワニやカバがたくさん住んでいました。危険なので洗濯に一人で行ってはいけないと言われていました。何年に一度かはライオンに襲われて亡くなる人もいました。

最初のプロジェクトは、協力隊の仲間と一緒に地域の人たちとの交流も深まりました。日曜日には朝の8時から12時まで教会に連れて行かれ、最初は苦痛でしたが、そこに通う人たちが私を仲間として見てくれていることが分かり、いろいろなことを相談してくれるようになりました。特に女性は学校へ最後まで行っていないので、聖書が読めないのが悩みだということが分かりました。そこで教会の中で大人を対象に読み書きを勉強する学校を作るというのが最初のプロジェクトになりました。この後一緒に活動していた人たちが全員帰国してしまい一人取り残されてしまいましたが、現地の人たちに助けられて活動を続けることが出来ました。

活動の一つ目は町づくりへの住民感覚の促進、二つ目が住民の能力強化でした。住民の意見を反映した町づくりが出来る仕組みを作ろうと思い、読み書き教室のように住民がやりたいことを手助けすることにしました。住民が積極的に参加するように、町役場と住民に働きかけることから始めました。住民と話しあってイベントなども行いました。環境対策委員会を作り、政府関係者や学校の先生など約50名の方々と話し合いました。小物づくりの教室も開いて、現金収入につながるような活動も行いました。

先ずJCCPの取り組みを説明しますと、紛争の被害者を平和構築の担い手にするということです。紛争は国境を越えてやってきますので、国外での紛争も無視できません。紛争のもとになるのは生活苦と格差社会です。そこで格差の生まれない社会づくりを草の根レベルで取り組んでいます。そのために、人を育てる、ツールを開発する、仕組みを作る、という3つの方法でアプローチしています。

例えばスラムでの問題を解決するために、早期見解、早期解決というプログラムを作りました。日本のように交番や児童相談所がありませんので、何かあった時に駆け込める場所としてカウンセラーを養成して民間の組織を作りました。警察など公的な機関がうまく機能することと、生活の基本となる衣食住を整えることに重点を置き、経済的社会的自立に対する手助けもしました。職業訓練はJCCPの最も得意としている分野です。

現在ケニア、ソマリア、南スーダンで活動しています。ケニアは最もスラムの多い国で、スラムでの活動が中心になります。ハートセラピーという手法を使って子供に絵を描いてもらい、その絵を見て子供の心理状態やケアが必要なのかを判断しました。

ソマリアは、世界でもまれにみる人道危機が長期化しています。人口1000万人の内300万人が人道援助を必要としており、110万人が国内避難民となっています。そこで、女性と若者の経済自立支援を行っています。市場で働く女性に対して研修を行うことによって収入向上を図っています。ソマリアには現在日本人は入れませんので、東京にいる日本人スタッフと現地のNPOが提携してオペレーションを行っています。南スーダンも同じで、出張することはできますが、長期滞在や首都以外への移動はできません。

2011年に建国したばかりの南スーダンは、自衛隊が現在までインフラ整備など国連の平和維持活動を行っています。特に子供たちに注目し、路上で生活する子供たちに教育支援や職業訓練を行っています。2013年にまた内戦が起き、職業訓練を受けて就職した子供たちもリストラされてしまいました。難民が160万人、国内難民が70万人という状況でした。これは国民の5人に1人が難民ということになり、国民の半分が支援を必要としています。こういった状況の中で最低限の生活を支える支援をしてきました。具体的には、性的暴力、犯罪の被害者を保護することです。

政権の対立により一般市民が対立し、国内避難民と元からの住民との対立によって学校に行けなくなることもあります。干ばつの影響や国際支援の減少で食糧価格の高騰が続いています。主食のトウモロコシの価格は1.5倍になっており、1日1食という人たちが多い現状です。そこでJCCPでは住民と避難民と両方の立場の人たちに研修を行い、職業訓練や農業実習も行っています。現地の人達も積極的に活動してくれるメンバーが育ってきて、現在は現地スタッフと連絡を取って活動をしています。