素ワヒリ世界の不思議発見! :タンザニア留学記

講師紹介: 和田奈月
2011年にタンザニアのダルエスサラーム大学の交換留学
早稲田大学国際教養学部3年生

 はじめまして、早稲田大学国際教養学部の和田奈月です。去年8月まで10か月くらいタンザニアで留学してきました。初めてタンザニアへ行ったのは2009年1年生の時で、2週間キリマンジャロの小学校でボランティアをしてきました。そのときは海外のNGOの人たちと一緒に壁の修復やスポーツボランティアなどをしました。その経験があったためタンザニアに対して親しみがあり、スワヒリ語もせめて子どもと話が出来るようになりたいと思って留学することにしました。

今日のタイトルは「素ワヒリ世界の不思議発見!」です。私はタンザニアについてあまり知識もありませんでしたので、一般人としてタンザニア人の生活の中をのぞいて面白いところなどを見つけてお話ししようと思います。行くまではタンザニアのイメージというと動物がいて自然の中での生活というものでしたが、行ってみると普通の田舎での生活という感じでした。ダルエスサラーム大学は郊外にあって森を切り開いたようなところにあります。大学の構内に野生のサルが歩いていてベランダにマンゴーなどを出していると食べられてしまいます。

 授業は基本的には英語でしたが私は半々くらいスワヒリ語のクラスを取っていましたが、スワヒリ語の方が耳に入りやすかったと思います。私は7階に住んでいましたが1階に水タンクがあるので断水の時など水を汲みに行かねばならず、洗濯や洗髪もそこで済ましたりしてひんしゅくを買っていました。学生ストライキなどがあると暇なのでスワヒリ語の上達にもなると思い皆でおしゃべりをしていました。新聞は毎日読んでいましたが、学生たちは政治経済の話もよくするので日本の学生との違いを感じました。カリヤコと呼ばれるお店が学生のたまり場になっていて私もそこでおしゃべりをするのが大好きでした。カリヤコで物を売ってみたり友達を作ったりしていました。タンザニアの料理で私のお気に入りは、キリマンジャロのチャガ族のムゾーリというシチュー料理です。

 寮での生活の話をしますと、大学生はお金持ちではないのですがテレビやオーディオ製品をたくさん持っていて音楽をガンガンかけて近所迷惑には平気な態度でした。寮の部屋での料理は禁止されていましたが、炊飯器をロッカーにかくしておいて野菜などもそれで調理していました。ルーメイトのザワディは怠け者でしたが、部屋をすっかり汚して一気に掃除をするタイプでした。私はその都度片づける方だったのですが、分かってもらえず奈月は掃除をしないと連れてきた友達にも言っていました。長く付き合っている友達でも、私はいつも中国人や韓国人だと思われていることがわかってそれもストレスになりました。中国語を真似してみたり、カンフーやってみてと言われたり、蛇食べるのと聞かれたり、かなり偏見があることがわかりました。あとは現地の人の愛が深すぎるのか1~2日会わないだけで、どうして俺のことを避けているのと言われるのが嫌でした。年上の人から物をおごってよと言われることにもどう対応していいか分かりませんでした。

大学にいたウガンダ人の女の子で露出過剰な格好をする子がいて、男子寮の男の子たちは囃し立てるし女の子たちもあれは売春婦だよと言っていたのには驚きました。ザワディは夜中まで友達と携帯でラブラブトークをしていて何度言っても直してもらえませんでしたし、音楽をガンガンかけるなど、タンザニア人は周りのことは全く考えないのですが、他人のことは批判します。ルーメイトとの物のシェアも感覚が違っていて、牛乳や石鹸なども一緒に使ってしまって理解できませんでしたが、資本主義の国と社会主義の国では違うのだという風に言われた時にはけんかになってしまいました。

 私が見た不思議発見ですが、まず男同士、女同士で手を繋いでいること、これは習慣の違いで韓国人も女同士で腕を組んで歩いたりします。トイレットペーパーを使わずに水で流してトイレを始末するのにはなかなかなれることが出来ませんでした。泥棒は殺されても当たり前という感覚があって、ダルエスサラーム大学で泥棒が入った場合警備員は一人しかいないので、男子学生が棒でなぐたり、石を投げたり、引きずり回して死んでしまったことも2回ありました。周りで見ていた人も多いのですが、特に犯人を追及して捕まえたりはしませんでした。

話は変わりますが、タンザニアの人たちは日本人と違って下品に感じることを人前で平気でします。その辺の木の枝で楊枝代わりに歯をほじって唾を吐いたりするのです。あと驚いたのは長い髭を生やした女性がいたことです。みんなが長く生えるわけではないのですが、大学内に何人も髭の生えている女性がいて、周りの人たちも全然気にしていないようでした。私が顔や眉毛を剃っていると、どうしてそんなことをするのかと不思議がられました。タンザニア以外の他の地域でも聞いてみましたが、他ではあまり見られませんでした。どうしてダルエスサラーム大学に髭女が多いのか今でも謎のままです。

大学内で物を売っているカリヤコというものは、大学に雇われているわけではなく勝手に誰でも売ることが出来ます。バケツに入れたトウモロコシやさまざまなものが売られていましたが、おつりを全く用意していないのが普通でそのために売ることが出来ない場合もありました。また奨学金値上げデモなどの時にカリヤコで値上げをすると襲撃に会うことがあるので、この時期には値上げをしないのが鉄則でした。果物の切り売り、化粧品、靴の修理屋さんが出ていることもありました。

私はジェンダーやセクシャリティーに興味があるので、そういうクラスもとっていましたが、サンブサは女性性器を表す隠語だということで、そういう隠語がたくさんありました。音楽の授業で太鼓の練習もしていました。ンゴマは太鼓のことですが、伝統的な儀式、成人式や結婚式のお祭りのことを指しています。ンニャゴというのは女の子が成人するときの儀式ですが、そのときに男性の前での振る舞い方、結婚したらこうあるべきなどの性教育や具体的にセックスの仕方まで教えていました。ンゴマを踊るときには髪の毛をカラフルな毛糸と一緒に細かく編んだヘアスタイルをします。

まだまだ不思議なことがあると思います。皆様もタンザニアに行かれて何か面白いことを発見したら教えてください。