青年海外協力隊のザンジバルにおける造園土木活動

(2013/6)

講師紹介:長谷川真紀(青年海外協力隊タンザニア隊員)

 長谷川真紀と申します。青年海外協力隊の任期を終えて今年の3月に帰ってきたばかりです。職種は造園土木で、英語ではlandscape architecture ということになります。都市計画や造園計画するためにザンジバルの市役所で働いていました。今日はザンジバルと私の仕事についてお話ししようと思います。私はJICAに参加する前は造園土木の会社で現場監督をしていました。職種によってこの年数は違いますが、JICAに応募するには経験年数が5年必要でしたので気持ちを抑えて働いていました。職種で選んだのでザンジバルへ行きたかったわけではありません。

 ザンジバルはタンザニアの島でザンジバル諸島とペンバ島を含めてザンジバルと言います。1964年にザンジバル王国で発生した革命でザンジバル人民共和国が成立し、更にザンジバルとタンガニーカの合併によりタンザニア連合共和国が成立しました。今でも大陸側から入るには出入国手続きが必要で旅行者はお金もかかります。

 人口は今約120万人、広さは沖縄くらいの島です。タンザニア人とインド人、移民系のヨーロッパ人たちが多く住んでいます。生まれ育って定住している中国人は300人くらいで麺類の製造販売をしています。タンザニアの主な産業はスパイスの生産と観光で、クローブはインドネシアと並んで世界一の産出国です。ヨーロッパ系とアラブ系の建築物が混在しており、北西部に広がるストーンタウンと呼ばれる旧市街の街並みは世界遺産に登録されています。アフリカからの奴隷貿易、象牙、金など輸出交易の中継地として栄えた街でその痕跡も残されています。また年一回開かれる音楽祭には世界中の人たちが集まります。

 海はとてもきれいで日本では見られないような色をしており、ビル・ゲイツが買ったとうわさされている私有の島もあります。自然も豊かでザンジバル固有種のサル、レッドコロブスもいます。女性はカンガの上にイスラムの黒い衣装をまとっています。気温は28度から31度くらいで西アフリカに比べると過ごしやすい気候です。

私の住んでいたアパートは、きれいでしたが窓はなくあまり生活のことを考えていないようで、キッチンのカウンターは異常に高くて踏み台を使って料理をしていました。近所の人たちの生活はというと、水道がないので水を汲みに行き料理は炭を使って屋外でしていました。ご飯は日本のお米に近いもので、おかずはマハラグエ(豆)中心のものでしたがとても美味しかったです。またフレッシュフルーツを絞ったジュースを街中のいたるところで売っていました。女性のおしゃれとして結婚式や祝いごとの時にはヘナアートというペイントをよくしていました。

市役所でやっていた仕事ですが、都市計画と公園計画のプロジェクトを立ち上げてプロポーザルを作っていました。現場調査から始めて写真を撮り、境界線の測量や樹木調査を元にデザインし費用も割り出します。この計画書をミニストリーにプレゼンテーションやワークショップとして持ち込みます。ミニストリーが毎年ドネイションを貰いたい国を応募するためコンペティションに勝たなければならないわけです。資金はEU諸国、主にフィンランドやノルウェイから多く出ていました。現地スタッフと一緒にいろんな省庁を訪れて打ち合わせをし、測量は国土交通省の人たちと一緒にやっていました。他には現場で町の人の意見を聞くヒアリング調査や町会長さんの所へ行って意見を聞くということもしました。

プロポーザルを作りながら同時にプレゼンテーションもして上の人と意志の疎通をする必要がありました。同僚は約束の時間に来ないし、水揚げのポンプが故障するなど、なかなか仕事が進みませんでした。とにかく生活するには水が最優先に大切だということがわかりました。また停電の直後電圧が急に上がるので日本から持って行ったパソコンが壊れまして、これは向こうで買ったものです。600ドルくらいでした。

私は同僚と共にストーンタウンの外側にある大きな道路と二か所の空き地開発計画を進めました。測量調査を元に付近の住宅を含めて設計図を作り3Dにまとめました。道路の車線整備と公園の植栽、ベンチなどの計画を作りました。図面が読めない場合もあるので3Dまで起こさないと省庁の人たちに説明できないのです。これを上司がプレゼンテーションをして仕事が取れるかどうかという段階になります。審査は4次まであり、1次には通ったというのを聞きました。これが私のやっていた仕事の内容です。
ここで少しペンバ島のお話をしたいと思います。ザンジバル島からフライトで40分北にある島で、まだ緑が濃く残されています。乗り物は特になくワゴン車の荷台やロバの引く荷車の荷台に1㎞いくらで乗せてもらいます。町のいたるところに屋台があって揚げたジャガイモの卵とじのような料理をよく食べましたが、とてもおいしいのです。海岸ではウニがたくさん捕れますが現地の人は食べません。バナナやマンゴーなども豊富です。珍しいものでは現地の人は蝙蝠を美味しいと言ってよく食べます。一方、今1泊2万円くらいの高級ホテルが乱立しており、環境破壊が深刻な問題になっています。地下水を大量に汲み上げる、シュノーケリングのために無理に船を出してサンゴ礁を痛めてしまうなど目に余るものが有りましたが、皆様ももし行かれたらきれいなところだけでなく、カラフルな洗濯物や生活の写真をたくさん撮られると、時間がたってから見たときとてもいいと思います。