青年海外協力隊員が見たウガンダの人々の生活

(2016/1)

講師紹介:佐々木梢
秋田県の田沢湖という日本一深い湖のそばの山奥で生まれた、
秋田で育てられたという意識が子供の時からあり、将来は秋田のために何かしたいと思っていた。
アメリカの大学に進学し、初等教育と美術教育を勉強。地域の移民の子供サポートボランティアや映画製作などを体験。
帰国後は地元秋田で、訪日外国人観光客誘客事業に従事。
2012年青年海外協力隊でウガンダ共和国へ村落開発普及員として派遣されました。
2013年帰国後、2年間の英会話講師を経て、現在は東京の国際理解教育を扱う旅行会社に勤務。

私は、身近なコミュニティーでの活動から世界に繋がる人づくりをしたいという思いから海外協力隊に参加しました。途上国の視点から世界を知りたいと感じたためでもあります。

ウガンダ共和国は、南スーダン、コンゴ民主共和国、ルワンダ、タンザニア、ケニア諸国に囲まれた内陸の国です。首都はカンパラでビクトリア湖のナイルパーチは有名です。赤道直下の国ですが標高が1600メートルありますので平均気温22度の爽やかで過ごしやすい国です。面積は日本の本州と同じくらいです。民族は、バガンダ族、ランゴ族、アチョリ族など80以上の部族があると言われています。言語は英語、スワヒリ語、ルガンダ語ですが、いろいろな言葉が話されていて多言語、多文化の国です。宗教はキリスト教が6割で、その中の3割がカトリックですが、最近はアメリカから伝えられたみんなで歌をうたって踊るタイプのキリスト教が目立って増えているようです。首都カンパラでは「幸福の科学」も広がっていました。ムセベニ大統領は、とても指導力がある方で16年間政権が続いてきましたが、今年任期が切れるのでそのあとはどうなるのかが取り沙汰されています。

私の任地はウガンダの西部でしたが、角の大きな牛が印象的でした。牛乳や乳製品もあり、角で作った工芸品もありました。サファリにも行きたかったのですが、ケニアと違ってその機会もなく、近くのクイーンエリザベス国立公園へ行きました。ウガンダの国鳥になっているカンムリズルがいました。飛ぶ姿は圧倒されるような美しい鳥です。象もたくさんいて、象を見に来る観光客も多いようです。クルージングをしてカバを見に行くというツアーもありました。

食べ物の一番はマトケと言われる調理用のバナナで、アフリカでは一番生産量も多く毎日バナナを食べます。バナナ畑の間にヒエやソルガム、キャッサバを植えている家が多かったようです。ケニアと違ってウガリはほとんど食べませんでした。カトーゴというトマトベースでじゃがいもを煮たものを朝食に毎日食べていましたが、とても美味しかったです。主食は、マトケと、ヒエの粉とキャッサバで作ったカロでした。鶏肉は高いのでクリスマスの時期には食べますが普段は牛肉と山羊の肉でした。町に出るとマトケばかり売っていました。肉は店先に吊して売っていて、適当な部位を切ってもらいます。マーケットは一つの村に一か所必ずあり、種類は多くないのですがいつも新鮮な野菜が手に入りますし、ドードーというアマランサスの葉っぱも売っていました。値段は一つのバッチでバナナも人参も1000シルくらいでした。肉は5000シルから買えましたがなるべく良いものを1キロ9800シルで買っていました。

私が配属されていたのは県庁の産業局で各分野のオフィサーたちと一緒に活動していました。昆虫課長、商業課長、獣医などそれぞれの専門部署の課長で、興味深く刺激的でした。一村一品プログラムのコーディネイターとして配属され、JICAと各省庁との配偶役ということで、既存の農民チームの支援をする内容でした。もとは大分県で始まった地域おこしの手法で、それをJICAが世界各地に広げているものです。

此れには三つの原則があり、一つ目の原則はローカルにしてグローバル、地域性を持ちながら世界に広がるようなモノづくりや文化を発信していこうというものです。二つ目が地域の住民が主体になって作り上げていこうというもの。三つ目は地域の人材育成で、世界的な視野を持つ人材を作ることです。

私がサポートしていたグループは四つありますが、蜂蜜のグループ、ネリカ米のグループ、あとは女性主体のグループで、いろんなことをやりたがっていて、マイクロファイナンスにも興味を持っていました。

私が着任する前に、自動的に不純物の少ない蜂蜜を生成できる画期的な蜂蜜の生成器の導入を申請して承認され、機材は到着していたプロジェクトがありました。条件として巣箱は自分たちで買うということになっていましたが、全くそれをしないまま2年間放置されていました。JICAでも早くやるように言い続けてきましたが、資金がないのでこれに合う巣箱を作ることが出来なかったという言い分でした。そこに私が登場しまして、これをどうにかしたいと昆虫課長さんに相談しました。これは県庁の問題になりかねないので中央省庁の助成金制度を利用して、巣箱を確保しないとこれ以上進まないということになり、現地に同行してもらいました。蜂は、半径2キロの蜜を集めるということで、この辺りはユーカリとコーヒーでした。10月に調査をして11月に提案書を書き、12月に省庁に提出し、めでたく1月に補助金が下りてプロジェクトを稼働させることが出来ました。これが私としては一番大きなサポートとなりました。

このあと私は体調を崩して帰国してしまい気になっていたところ、11月に昆虫課長さんからメールが来まして、その後もずっと稼働していて8~10キロの蜂蜜を生産しているということです。感謝している、といわれて本当によかったと思っています。

ウガンダの活動で気付いたことが三つありますが、一つ目は国産品が売れないということ。これは国産品の質を信用していないことです。二つ目は外国人向けのショップバランス、これはあくまでも外国人向けの商品であって国内の人は全く興味を示していません。三つ目は、とても保守的で新しいものを取り入れないということです。これは秋田にも言えることだと思います。とても誇り高くシャイで保守的なのです。女性が強く、郷土を大切に思っていて、大事に育てた子供、大事に育てた人材は、必ず戻ってきてくれると信じているということです。

消えていく伝統文化というのはやはりあって、昔話を語ってもらう機会もなくなってきているようです。小学校で1時間だけ昔話や謎々を披露してもらう機会がありました。昔は夜になると火を囲んで家族で集まり話を聞く機会がありましたが、今はそういうこともなくなってきたと言っていました。それは秋田でも同じです。あとは、野生動物と共存しているということで、秋田ではクマが里に下りてくることがあり、ウガンダでは象に収穫間際のトマト畑を荒らされることがあるそうです。

以上ですが、これからも身近なコミュニティーから世界へ繋がるヒトづくりに携わることが将来のビジョンです。地域おこしとグローバル人財育成をテーマにネットワークを広げていきたいと思っています。