ICA Japan コートジボワールでの農村開発事業

(2018/10)

講師紹介: 神戸秀樹(かんべ ひでき)

2003年3月大東文化大学国際関係学部卒、2007年3月広島大学大学院国際協力研究科博士課程前期終了(学術修士)。途中休学し、2004年5月から2年間、ペシャワール会現地活動員としてアフガニスタンニングラハル州にて、灌漑用水路建設事業等に従事。2007年6月JICA青年海外協力隊に参加。ニジェールタウア州で2年間、村落開発活動を行う。2012年8月マレーシアの日系企業にて約2年半勤務。2015年4月ICA Japan現地駐在員としてコートジボワール・アニェビ・ティアサ州にて3年間勤務。青年の雇用創出のための村落開発事業に携わる。

私は群馬県出身で、大東文化大学で国際関係学を学びました。最初にICAという団体について説明します。元々これはアメリカ・シカゴのスラム街での支援という形で始まった市民団体でした。今では、30カ国にその活動が広がっています。日本における活動は、1970年にICA Japanとして任意団体としてスタートし、本格的に活動が始まりました。2001年には、NPO法人として認可され、活動の領域はさらに広まり、現在に至っています。

私の関心は教育や人に教えるということで、JICA青年海外協力隊の活動では、就学率が低く貧しい国であるニジェールを選び、派遣されました。ここでは改良かまどの普及などの村落開発活動を行いました。また、日本で言う市の教育委員会のような部署に配属されましたので、各学校を回って授業の改善に努めました。保健衛生にも問題を感じ、ポスターを作って「手洗い啓発」など積極的に行いました。

現地と日本をつなぐ活動として、学校交流を行いました。双方の学校の子どもに絵を描いてもらって絵を通じた交流を図りました。現地で交流活動を行った学校は、ノートや画用紙、色鉛筆などはユニセフなどの支援が入っていましたので不自由はしていませんでした。教科書は、政府が準備した学校に備え付けのものがあって、それを使って勉強していました。就学率は50%くらいでしたが、あまり就学率を上げてしまうと教室が足りない状態でした。今は60%くらいだと思います。イスラム学校は、正規の学校の教科プラス宗教の時間があると言う感じで、通常の学校、イスラム学校のどちらを選ぶかは親の考えで決められていました。今まで行った国がイスラムの国が多かったため、その後もマレーシアなどイスラムの国で活動することになりました。

今日は、講座のテーマであるコートジボワールで実施した農村開発事業の活動について中心にお話したいと思います。面積は、日本より少し小さい国で、首都はヤムスクロですが、実際に首都機能を果たしているのはアビジャンです。昔は、象牙海岸と呼ばれていました。公用語はフランス語ですが、村に入ると部族語が話されています。宗教はキリスト教とイスラム教が半々といったところです。産業はコーヒーとカカオで、カカオは世界一の生産量を誇っています。ニジェールに比べると農産物も多く栽培されています。

ICAが行った活動は、具体的に、アビジャンから70キロ離れた農村地帯で養鶏と現地の資源を使った野菜栽培、植林などをやりました。それらに関連した研修、リーダーシップの養成を行い、計画を立て、これから行うことを村人と一緒に考えました。孵卵器を導入し、今でも村で作業をしています。初めはアビジャンから雛を買って育てていましたが生育率が良くないので自分たちで卵から育てることにしました。日本から原種系の種卵を持ち込んで現地で2世代孵化させて採卵種を育成しました。日本の農水省との話し合いもうまくいき問題なく種卵を現地に持ち込むことができました。

コートジボワールは非常に自然の豊かな国で、米、キャッサバ、ヤムイモ、トウモロコシなどを育てています。そこで日本から堆肥の専門家を呼んで、現地の資源を使った堆肥づくりを始めました。竹土(竹の根元の土)、カカオの皮、米糠、稲藁、籾殻、鶏糞などを使って良質の堆肥を作ることを試みました。堆肥は今回の活動では主に堆肥舎にて作成しました。村人の農民は今までやってなかった温度管理、湿度管理なども熱心に行いました。自分たちで作った堆肥を使うことにより、ナスの収穫量は倍増しました。

村のリーダーを育てるために、ICAではコミュニティー開発とリーダーシップの研修を行い、みんなで一緒に考えることから始めました。各省庁の許可を得て商品の流通も図りました。現地の人たちからもICAの活動について感謝の言葉をもらっています。先ほども話したように、今回は日本から種卵を持って行き、2世代の雛を育てることができました。700個の内50個くらいは、飛行機での輸送中に割れ、その他孵化や生育途中で病気などによって死亡し、現在は、35羽の種鶏が残っています。その種鶏から生まれた採卵鶏が69羽残っており、産卵を続けています。採卵鶏が卵を産む期間は限られていますが、種鶏を維持するによって、新しい採卵鶏を生育することができます。その土地で循環させることが大切で、新たな種卵を持ち込むことなく、大体5年くらい採卵することができます。コートジボワールは温暖でトリインフルエンザの心配もなく養鶏には向いているようです。ソーラーパネルを使って夜も灯りをコントロールし、順調に生育するように努めています。

コートジボワールは自然の豊かな国で、主食は米、キャッサバはアチャケかフートゥー、トウモロコシ、バナナになります。ヤムイモは揚げて食べます。珍しいところでは、アグチという野ネズミをよく食べます。ヤシ酒もよく作られています。

現地では親しみを得るためにも現地の布を使って仕立てた衣装を着るようにしていました。そのためか犯罪等の被害に遭わず3年間無事に生活できました。

ICA: The Institute of Cultural Affairs
URL: www.icajapan.org